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2008年2月 3日 (日)

”クレーヴの奥方”を読みました

200710_012  昨年の10月末にたまたま神保町に行ったところ、神田古本まつりが行われていて、友人と一緒だったので、ざっと見たんですが、そのときにすずらん通りで岩波の書店の方が臨時増刊の”図書 私の三冊”というのを無料配布していたんです。それにはいわゆる有名作家が選ぶ岩波文庫の三冊が書かれていて、どうしてその本なのかということがざっと書かれている冊子なんです。

200710_013  それを見ていたら江國香織さんと林真理子さんの両名がこの”クレーヴの奥方”を三冊のうちの一冊あげていて、是非読んでみようと思ったのです。(でも買ったのは新潮文庫の古本。岩波さんごめんなさい。)

 作者であるラファイエット夫人は1634年に生まれた人です。この小説は実際のフランス宮廷の実在人物を登場させながら進んでいく小説で、フランス史に興味のある方にはとても興味深いと思います。時代はアンリ2世の時代の話です。私はアンリ2世とその父であるフランソワ1世時代の話が好きなのでとても面白かったです。アンリ2世の死を予言したノストラダムスも名前は出てきませんが、高名な占星術師として出てきます。

 アンリ2世といえば、19歳年上の家庭教師であったディアンヌ・ド・ポワチエを愛妾にしていたことで知られていますが、この小説にもちゃんとディアンヌ・ド・ポワチエがヴァランチノア公爵夫人として出てきます。アンリ2世の正妻であるカトリーヌ・ドメディシスのロマンスも書かれていますし、面白いです。

 主人公のクレーヴ夫人は実在かというと架空の人物で、夫のジャック・ド・クレーヴはディアンヌ・ド・ポワチエの孫娘と結婚した人物で実在したようですが、20歳そこそこで亡くなったので、歴史上には残っていない人物を使っているようです。

 簡単に書くとストーリーはシャルトル嬢であった後のクレーヴ夫人は、華やかなフランス宮廷の中にいながらも母親からの貞節を重んじた躾を受け、宮中では大変もてはやされたにも関わらず、慎み深い女性でした。いろいろな縁談はありましたが、その中でも彼女よりもだいぶ年上のクレーヴ公と縁があり、彼女は特にクレーヴ公と熱烈な恋愛をすることはなかったけれど、人柄の良さなど、総合的な面でクレーヴ公と結婚しました。しかし、その後宮廷内で色男として有名で、大変美しいヌムール公を一目見て、心を熱くします。ヌムール公も彼女の思いを知らないうちから、彼女に惹かれます。お互いの気持ちが相思相愛であるとわかると、クレーヴ夫人は彼に会うことを避けるように、別荘に住まいを移したりしますが、熱い気持ちは伝えることがなくても、それぞれに冷めぬまま時が経ちます。

 クレーヴ夫人はそのような自分の気持ちを夫のクレーヴ公に隠しきれず、打ち明けます。しかし、彼女はその相手の名前は明かしませんでした。クレーヴ公はその相手が誰なのかを突きとめ、ヌムール公を尾行させます。そのとき、ヌムール公はクレーヴ夫人の別荘の近くをうろつき、彼女を覗き見ただけでした。気がついたクレーヴ夫人は彼とわかって、尚彼を拒んだのでした。ですが、クレーヴ公にはそのことがうまく伝わらず、それをきっかけに体を壊し、亡くなってしまいました。

 クレーヴ夫人は自由の身となり、伯父であるシャルトル公などの薦めもあり、ヌムール公との再婚は可能であったし、クレーブ夫人も並々ならぬ熱い気持ちをヌムール公に持ち続けていましたが、死に際のクレーヴ公の思いを考えるとやはりヌムール公を受け入れるわけには行きませんでした。ヌムール公の変わらぬ熱い気持ちを本人からやっと告げられましたが、彼女はそれを受け入れることはありませんでした。その後、彼女は体を壊し、尚諦観を強めたようで、彼女は浮世を捨て、余生をまるで隠遁のような生活をして過ごしたそうです。

 簡単にいうとこんな話です。17世紀に書かれた話なのにとても興味深く読みました。それにしてもクレーヴ夫人もヌムール公も慎み深く紳士淑女でとても、凛とした生き方を感じる小説でした。今の時代に比べると何においても、まどろっこしいというのがありますが、それがこの小説のいいところでもあります。

 読むのには字が小さくて、やや骨が折れますがお薦めです。

200710_010  話は変わりますが、今日は大雪でした。明日の出勤が思いやられるー。今日は一歩も外に出ずでした。

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