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2008年9月 1日 (月)

『ノルウェイの森』、3度目の再読

 夜には真夏とは違う、コオロギなどの秋の虫の声が聴かれるようになった今日この頃。読書の秋も近づいてきてますね。

 『ノルウェイの森』の映画化の話を聞いたことについて、先日ブログに書きましたが、そのあと早速、読んでみました。結局、懐かしの私の41刷は出てこずに、図書館で借りて読みました。

 主人公”僕”は37歳で、18年前の19から20歳あたりを回想する冒頭から始まるんですが、私もその冒頭を読んで、とてつもなく懐かしい気分になってしまいました。私にとっても、初めてこの本を読んだのが、18年前だったので、その遠い記憶を思い起こすような気持ちを重ねてしまいました。

 今回3度目の再読なんですが、初回はバブルが弾け、ベルリンの壁が壊された翌年の1990年、2度目は2002年、そして今回3度目。

 恐ろしいほどに、細かいストーリーは忘れていました。でも再読して、この小説の良さをさらにかみしめることが出来ました。いわゆるベストセラー小説と呼ぶのは憚られるような繊細なタッチ。この小説を支持した大人がこんなにこの時代はいたんだと、ちょっと羨ましくなるくらい。

 前回の2002年に読んだときの感想文が出てきたので、それを読んだ後だと、そこにあまり触れられいないところに着眼して読んでいました。これまでは”僕”の親友キズキの幼馴染であり、恋人で、キズキが亡くなったあとに愛した直子に着目して読んでいましたが、今回は、”僕”と同じ大学で、ちょっと風変わりで、でも父と母の看病をして、精一杯に生きる緑に着目してしまいました。

Murakami_2  この小説は実は、対比される人物が何人か登場していて、緑と直子いうのも生と死という対比になっていると思いました。

 ”僕”という人は、大切な人々を失いながらも、生きていく。そして、”生きていくための代償”を払って生きていくという覚悟を決めます。

 私が高校時代に読んだように、同じ世代の高校生、大学生が読んでもいいし、回想している37歳の”僕”のような大人が読んでもいい本だと思いました。

 でも、タフな大人でないと読んだあとには、軽く心が動揺するかもしれません。私は、タフな大人ではないので、読んだあとにまたもや動揺してしまいました....。

 不思議なことに気が付けば、いま私が好んでいることは、この小説の主人公の”僕”と重なることが多く、たぶん高校時代にこの小説に大きく影響を受けて、傾倒し、自分の趣向を重ねたのではないかと思う節が多々ありました。たぶん、『グレート・ギャッツビー』を読んだのも、この小説の影響であると思います。そんなことはぜんぜん覚えていないのですが、この小説を再読して、ふと思いました。

 最後に、主人公の”僕”という人物にとても惹かれます。彼は基本的な自分のこと、身の回りのことが出来る基礎力のある男性で、冗談を言いそうにないのに冗談を言うようなちょっと変わったところもあり、他人に流されないようなタフさを持っているというか、持つような鍛錬を自然にしている人で、高校生だった私も彼に惹かれたように、35歳の私もそんな小説の中の彼にとても惹かれます。

 何度読んでも、読み飽きない本です。

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