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2013年1月25日 (金)

ダン・キホーテ

金曜の夜はホッとする。眠かったのに眠気が覚めた。

ビールが切れてしまったので、一人じゃワインはやめて、こういう寒い日には焼酎のお湯わりをちびちび飲む。

そして、ここ最近読んだ壇一雄の『火宅の人』と壇の妻ヨソ子さんが口述した内容を書いた、沢木耕太郎の『壇』について考えたりする。こういうのは至福の時間だ。この二つを読むとよりリアルに壇一雄という人に迫れる気がする。

偶然にも私の亡き祖母と全く同じ、明治45年の2月に生まれた作家壇一雄にこんなに心酔するとは、この本を読み始めたときには全く想像しなかった。

この小説は自伝的と言われていて、思わず壇自身とこの小説の主人公桂と重ねて読んでしまう。

その小説の冒頭は昭和29年からの3年間に落石事故や次男の日本脳炎の発病とともに"恵子ト事ヲ起コス"とあり、凶事が重なったとある。

妻は5人の子供たちと石神井で家を守り、壇は恵子といくつかの家を移りながら暮らし、ときどき家に帰り、長旅に出たりする。

自分で煮炊きをするのが好きで食材を買い出しにいく様子や料理を人に振る舞ったり、そんな姿はイキイキというかウキウキとしている感じが伝わってくる。

恵子との関係も時間がたち、徐々に変化していく、その間に日本や海外の旅があり、読者を飽きさせずに進んでいく。そして、最後まで読むとジワッと胸に来るものがあるのだった。そして、壇という人物を見直したりする。

なんと言っても、豪快にして繊細なところがあり、細やかな優しさがある人なのだ。さらに食べ物を美味しく食べるというセンスがある人なのだ。(意外と美味しいものに感覚が鋭いタイプと鈍いタイプがいると思う)特に男性で美味しく食べるセンスがあって、美味しいものを見つける感が鋭いという人は魅力的な人が多いと勝手に私は思っていたりする。

『火宅の人』を読んで、作家はこうであってほしいなーなどと思ったりする。このぐらい豪快で、放蕩で、女好き(人のぬくもり好きか)、食い道楽、金に頓着しない。人間味溢れていて、人懐っこさがあって、憎めないところもある。そして、壇の作家として生きた昭和っていいなと思う。

心酔しました、ダン・キホーテ。

Dan_2

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