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2017年12月21日 (木)

今年、興味深かった1冊

いやはや、気がつけば、12月20日を過ぎ、もうクリスマスですね。今年は、家にいるのに時間に追われるという生活を送っています。


小説が好きなので、基本的には小説を読みたいのですが、話題になった本は図書館で借りたりして時々読んでいます。
今年読んで、やっぱり興味深いなと思った本は、アンマリー・スローターさん(篠田真貴子さん訳)の「仕事と家庭は両立できない?『女性が輝く社会』のウソとホント」です。

日本語のタイトルがセンセーショナルなので、ぎょっとしますが、内容は前向きなものです。原題は「Unfinished Business  / Women Men Work Family」なので、結婚している子持ちの女性というだけでなく、独身の女性も男性も、自分の家族の子育てだけでなく、介護などの大切な人をケアをしたいと考える人たちにとっても共感できる内容になっています。

著者はアメリカ人ですが、アメリカにおいても、日本と同じようなことに女性は悩みながら暮らしている。そして、それは長年の既成概念(本書では既成概念という言葉は使われていませんが)に誰もがとらわれて生きているということが大きく、この発想を変えるのは現代においてもかなり難しいと改めて感じざる得ません。

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女性だけが、両立という苦難に立ち向かっているだけでなく、男性も、男性はこうあるべきというビジネスのシーンにおいての既成概念を打破することは難しく、男性も育児や介護等のケアに時間を割きたくても女性以上に難しいという現実があります。女性も男性も多様な生き方が許容される世の中になりつつあるのに、実際ビジネスの世界では、難しいということを男性の目線でも考えるきっかけとなりました。

著者はプリンストン大学の教授で、女性初の公共政策大学院の院長であり、ヒラリークリントン元国務長官の下で、政策企画本部長を務めました。ワシントンでの生活を始めたことで、家族と離れ、重要な仕事をしている自負はありましたが、プリンストンにいる家族と一緒にいることについて改めて考えるようになり、約2年でそのワシントンでの職を離れました。

彼女が、2012年にアトランティック誌に「なぜ女性はすべてを手に入れられないのか」という論文を発表したときに全米の話題を呼びましたが、賛否両論様々な意見が返ってきたことも、世代間の見解の違いも興味深かったです。

女性もすべて手に入れることができると言われて、それを疑わずに過ごしてきた著者でしたが、その言葉がすべて真実ではないと考えはじめるというのは、彼女のような有能な女性でなくても、現代の女性の多くがぶち当たる壁なのではないでしょうか。

しかし、彼女も書いているように、それでも仕事も育児もうまく行き、子供も優秀ですくすく育つケースもあるし、誰もがうまくいかないわけでもないとも書いています。

私はというと、彼女のような有能な女性と全く立場が違うとはいえ、とても共感できるものがありました。彼女が書いていたように、これからの世の中はケアに重きを置き、変わっていくのだろうか。そして、私自身も近い将来、どのように、ケアをしながら働いていくのだろうかと考える一冊でした。

方向性は違いますが、話題だったシェリル・サンドバーグさんの『リーン・イン』とともに、読んでみるのもいいかもしれませんね。

そろそろ、クリスマスですね。皆さん、よいクリスマスをお過ごしください。
メリークリスマス!
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